不機嫌な彼と恋のマジックドライビング

恋に落ちました

「あぁ、ついてないな」

月末の残業ですっかり帰りが遅くなった社員駐車場には、私の車だけがぽつんと一台だけ停まっていた。

左前のタイヤが明らかにパンクしている。

「あーっ!もうどうやるんだっけ?
教習所で習ったけどやったことないよぉ」

トランクをあけて工具を引っ張り出してため息をつく。

「たしか、、
タイヤのボルトゆるめるんだっけ?

んっっ!!やだっ!硬い!!

びくともしないっ!」

真っ暗なわずかな駐車場の外灯のした私は一人タイヤのボルトと格闘していた。
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