不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「ごめんなさい！｣

もう一度彼女の謝罪の言葉がエントランスに響く。

「明莉さん、誤解ですから！

私蓮くんの隣に住んでいて蓮くんの弟の大雅(たいが)の彼女なんです！

蓮くんやめろって怒ってたのに、彼女と喧嘩したって不貞腐れてたからからかって腕組んでて…。

嫌な思いさせてごめんなさい。

それに、昨夜は蓮くんの車借りてきた大雅が迎えにきて、蓮くんは乗ってません！

信じられないなら大雅が説明します！

だから蓮くんと仲直りしてください。
蓮くん、ずっと好きだった子と付き合えたってものすごく喜んでてクリスマスも楽しみにしてて。

喧嘩も自分が大人げなかったって落ち込んで。だから許してあげて、仲直りしてください。
お願いします｣

「いいよ、美里謝んないで。

これもって家帰ってろ。
先に大雅と飯食っとけ。

俺は少し話しするから｣

「…はい…｣

『ドアが締まります』
エレベーターがしまる音声が聞こえた。

< 110 / 133 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop