不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
うっかり笑顔なんて見せた日には、言い寄られてめんどくさくなることは、学生時代にさんざん学び、就職してからの俺は女に対してとくに無愛想に徹していた。

何故ならば、よりにもよって、営業所と違い女が大勢いる本社の本店勤務になってしまったからだ。

同期の奴等は俺を羨ましがったが俺は変われるものなら営業所勤務に変わりたいと思っていた。

恋人をつくって彼女と遊ぶよりも、大好きな車に囲まれていじる毎日が楽しくてそんな俺を気に入ったのが先輩の片瀬さんだった。

片瀬さんは俺を可愛がってくれて、プライベートで毎日のように仕事が終わると一緒に遊んだ。

片瀬さんがいなければ、俺は他の先輩たちに嫉妬されて苛められて仕事を辞めていたかもしれない。

"仕事もできて女にもてる"
そんなことで俺は先輩たちに辛く当たられたが、人懐っこく誰にでも笑顔で人当たりのいい片瀬さんが俺を可愛がり仲良くしてくれたお陰で、陰湿ないじめもなりをひそめ、俺は片瀬さんに絶大な信頼をよせ感謝している。
< 115 / 133 >

この作品をシェア

pagetop