不機嫌な彼と恋のマジックドライビング

入社して四年、片瀬さんはフロントマンに上がり、俺もメカニックのなかでは一番先輩になっていた。

そんな頃、毎朝通勤途中で見かける本社の内勤の女の子が目にはいるようになった。

特別美人でも飛び抜けて可愛いいわけでもなく、容姿は普通だが、穏やかな雰囲気と頬を染めてはにかむ笑顔は庇護欲がかきたてられる。

毎朝駅から会社に向かう道のりで見かける彼女は　"蓮見明莉"　といい花を抱えて歩く彼女がいつのまにか気になりだし目で追うようになった。