不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「どっちにしろあの人が本気だしたら澤田には勝ち目ないんだけどな。

まっそれでも俺は一応友達だから蓮見の気持ち無視してでもアイツを応援するぞ。

あの人が本気だす前にどうにかしないと勝率はゼロパーだ」

「ねぇ…さっきから言ってるあの人って誰?」

「ばーか。
教えるわけないだろ!
さっき蓮見がフリーだって一階で公言しちゃったんだから、あの人もそろそろ本気出してくるだろ」

「何それ…。
なんか私悪いことした?一階で」

田端と黙ってずっと私たちのやりとりを聞いていた菜摘が苦笑いして二人の声がそろう。

「「蓮見って…鈍感!」」


「しかも顔に出やすくてわかりやすすぎ!
蓮見可愛いすぎー!

いいよ、いいよ。
私は何があっても友達だから全力で応援するよ」

抱きついてきた菜摘にもみくちゃにされ、訳がわからない私だけが一人、口を尖らせ不貞腐れていた。
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