不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
***

昼休み、休憩室で菜摘とお弁当を広げながらこそこそと昨夜の出来事と今朝のことを報告した。

菜摘は香田さんが現れたことをさほど驚いてもいなかった。

「なんで驚かないの?
私が思い込み激しすぎ?

それとも誰にでも実は優しい人なの?」

しょんぼりする私に菜摘は

「それで蓮見は昨日がきっかけで好きになったわけ?
今まで気にもしてなかった人を」

「うっ!酷い…。仕方ないじゃん。まるで接点なかったし、挨拶しかしたことなかったんだもん…。

格好いい人だとは思ってたよ?
片瀬さんと仲良くて一緒によくいるのは見てたし、目の保養?

あの二人は別格でしょ!

好きになんてなったら一生片想いだよ」

「はぁ、なんか澤田もこれじゃ報われないわ。
でもまぁイケメンの本気はさすがだね。

一瞬で恋に落としちゃうんだからさ。」

「どういう意味?」

菜摘は半ば呆れ顔で私を見た。
< 23 / 133 >

この作品をシェア

pagetop