不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「香田、朝からいちゃつくな!
ここ、会社の前だ!
ったく、帰ってからやれよな」

私を胸に閉じ込めたまま、香田さんが片瀬さんを睨んだ。

「誰のせいで暴走したとおもってるんですか。
毎日俺のこと煽って遊んでるくせに。
いいですか?
もう、かまわないでくださいね。
明莉は俺のものですからね」

香田さんの言葉に胸がドキンと跳ね上がる。

「ふーん、みんなの前で俺のモノ発言かよ。
しかも、さっそく明莉って呼び捨てかよ。へー。でも、俺もそろそろ本気だそうかと思ってね。

今までは可愛い後輩の恋の応援してたけど、俺も本気で手にいれたくなったんだよね。明莉ちゃんを。

まぁせいぜい横からかっさわられないように頑張るんだな」

片瀬さんの発言に辺りがざわついた。

「じゃあね蓮見ちゃん」

片瀬さんは私にウィンクして、手をヒラヒラさせて会社の中に入っていった。



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