不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「黙りこんでどうかした?
俺と…二人きりは居心地悪い?」

「…」

「朝から人前であんなことして嫌われたかな俺…。
はぁ。
独占欲丸出しで幻滅されたよな…」

ため息をついて落胆の色を隠せない香田さんに慌てて顔を向けて、運転中の香田さんの服の袖をつかんだ。

「違うっ!
違うんです…。初デートだから、緊張して…。
男の人と車で二人っきりで助手席に乗ってるのも緊張しちゃって…」
と言いかけてしまったと思ったが、

「朝だって乗ってただろ」
私の言葉に香田さんが一気に不機嫌になった。
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