不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
お店の駐車場に車が停められて、香田さんがシートベルトを外して私に身体をむけた。

「いくらモテたって好きなこに目を向けてもらえなきゃ意味ないよ。」

伸ばされた手が私の頬に触れた。

「モテるのは否定しないんですね…」

モヤっとした気持ちがそのまま口にでて、少し拗ねた私を見て香田さんは嬉しそうに目を細めた。

「…モテるよ俺。
って見え張りたいけど、無愛想だし、独占欲強いし、すぐ不機嫌になるし、好きなこしかずっと目に入ってないから、実際はモテてない。

観賞用なんだろ?俺は。

硬派な不機嫌王子と軟派な爽やかチャラい王子の片瀬さん。

上でそう呼んでるんだろ?」

頬に触れていた手が私のシートベルトを外した。

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