不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
身体を乗り出した香田さんが

「ちゃんと目、閉じろ」

そう言って、近づく綺麗な顔を見つめていた私は慌てて目をぎゅっとつぶる。

くすりと笑う声が聞こえて、温かな唇がすぐに合わせられたのをかんじた。

昨日から、何度めのキスだろう。

香田さんに触れられている全てが私に熱を与える…。

角度をかえて何度も軽く触れるだけのキスを繰り返し、

「明莉、好きだ」

と耳元で囁かれ、熱い吐息にさらに私の全身の血が沸騰して身体中が熱い。

「俺より、モテるのはそっちだろ。

毎日俺がどんだけやきもきしてたと思うんだ?

俺が不機嫌なのは明莉のせいだったんだからな」

「…っ!」

首筋におりた唇が強く私に吸い付いた。
びっくりして目をあけると、目の前で香田さんの妖しい瞳とぶつかった。

「でも、もう俺のものだ。
離さないよ明莉」

真っ赤になる顔をどうにもできなくて、私はただただ頷いていた。

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