不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
***

「そんなに怒るなよ、明莉」

香田さんが連れてきてくれたのは、こじんまりしたイタリアンのお店で食事もデザートも美味しくて…。

美味しい食事と目の前には素敵な彼氏。
滅多に見せない笑顔を炸裂させて、私はもうずっと目の前の人にメロメロで…。

それなのに、私は帰り際に入ったトイレの鏡を見て、お店をでてから頬を膨らませ怒っていた。

でも、口では怒るなと言いながらも、香田さんの目は笑っていて。

私は車に乗っても口を尖らせて、顔を窓のほうに向けていた。


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