不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「蓮見のことあきらめようとしたよ。
俺だけじゃなくて、香田さんもずっと蓮見のこと想ってたのは片瀬さんからきいた。

だけどさ、香田さんお前のこと泣かしてばっかじゃん。
それにすぐ不機嫌になって、年上のくせに大人げないよな。
他の男と仲良くするなって中学生かっつーのっ!」

香田さんの悪口を言い始めた澤田にだんだんと腹が立ってきた。

「澤田のばかっ!
蓮司の悪口言わないでよ!!

泣かされてないから!
勝手に私が泣いてるだけで、私のペースに合わせて付き合ってくれてるし、笑顔も優しさも二人の時に私にしか見せない、そういう人なの。

子供っぽい私なんて隣に並んでも似合わないかもしれないけど好きなんだもん…」

「俺だって蓮見にしか見せない顔たくさん見せてたんだけどな」

苦笑いした澤田がぎゅうっと握った手に力をこめて、繋いだ手を離した。
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