クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
潤がベッドに両肘をぺたんとついて真依の顔を眺めている。
こうやって見ていると、『おはよう、潤!』なんて言って目を覚ましそうな気がするのに……。
──だめだ、俺、まじっ泣きそうになる。
潤が涙をこらえて、声を振るわせる。
ごめん、真依、このまま、もし……真依が目を覚まさなかったら……、なんて考えが一瞬頭をよぎった。
病院にいる真依に会いにくるのは楽しみなんだけれど、本当は毎日毎日不安で真依がもしこのままずっと目覚めなかったら……なんて考えが頭のどこかにいつもあって……。
だめだな、俺、幼稚園の頃から全然成長していないかも……。
泣き虫な、俺で、ゴメン──。
真依が今目を閉じていてくれて良かった。
泣きっ面の顔を見られたら俺だって恥ずかしい。
立ち上がって歩き、大きな窓から景色を眺めている潤。
クリスマス。
そして、今日は俺の誕生日の日。
サンタさん、俺は本当にプレゼントも何もいらないから……。
真依の笑顔がもう一度だけ見たい。
それだけでいい……。
もう、それだけでいいんだ。