クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
・第二章
……6月……
新緑が美しい季節になった。
バスケットボール部の部活が早く終わり、潤が鞄を持ったまま真依の家へいつものようにやってきた。
「約束のノート、持ってきた」
「ありがとう、たすかるー!」
二日前、真依は風邪を引き体調を崩して学校を休んでいた。
「俺、疲れてるから。寝てもいい?」
「うん、いいよ」
潤がすぐに床にごろんと転がり、静かに瞳をとじる。