クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
潤は一人っ子で甘えたで普段から良く泣く性格の男の子。
そして、潤とは真逆の私はおてんばな女の子だった。
その日、潤が泣き止んで眠るまで、私はお姉さん気分で潤の小さな頭をずっと撫でていた。
今では、あの頃の面影がどこへいってしまったんだろうと思うぐらい潤は男っぽくなった。
真依が背の高い潤の顔を見上げる。
「潤、──これっ、覚えてる?」
そういって、真依がスカートのポケットから握りしめて取り出したのはプラスチック製の小さな赤い指輪だった。
今、真依がはめるには小さ過ぎるサイズの指輪。
潤が真依の手の平にのせている小さな指輪を見る。
「あっ、覚えてる──」