クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
嬉しくて、嬉しくて、ずっと今も大切に持っている指輪。
潤、私、この指輪ずっと大切にするからね──。
真依が黙って正面を向いて歩いている潤の顔をチラッと見た。
私が、今まで潤にあげた物といえば──?
幼稚園の時に紙粘土で作ったヘンテコなサンタクロースの顔。
小学五年生の時に潤が喜ぶと思って頑張って集めた大きめのスーパーの袋に満杯の蝉の幼虫の脱け殻。
中学三年生の時に見つけた、四つ葉のクローバー……。
私があげた物を──、潤はどうしているのかな?
大切に持っていてくれている?
──それとも、
男の子だから、もう捨てちゃったかな?