クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
潤、必死になってその指輪を探してくれたけれど。
その指輪が私のそばにあると、潤に甘えてしまいそうな自分がいて。
潤なしじゃ駄目な自分になってしまいそうで……。
そんな自分が今一番恐くて。
今まで、ずっーと、大切にしてきた指輪だったけれど。
今は、私のそばにあっちゃいけない指輪に変わってしまっただよ。
──ごめんね、潤。
優しい潤なのに……、こんな私を許して──。
悲しみと寂しさが入り交じった真依の瞳。
体の向きをくるっと変えて潤に何も言わず、とぼとぼと歩いて帰る真依。