クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
・第六章
……10月の下旬……
相変わらずの夏美と潤の関係は日を追う毎に悪化をしていた。
そして、あれから、真依と潤も教室で顔は合わすものの、お互いに9月の下旬の出来事は口に出さず、前ほど口数は減り、お互いどんな会話をすればいいのか戸惑う毎日を送っていた。
某有名広告会社に勤めていた潤の父親。
10月の初旬に社長に就任し、今日は夜から社長就任のお祝いパーティーが盛大にひらかれる。
潤の父親が社長に就任をして一番喜んでいたのは夏美だった。
家にいる夏美、今夜の社長就任のお祝いパーティーに出席をする為に、鼻歌を歌いながらドレス選びに専念をしている。
「私って、これから、社長婦人よー!今まで以上に、もっと磨きをかけないとね──」
髪の毛のセットやネイルに化粧、普段よりも時間をかけて丁寧に仕上げる夏美。