クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
エレベーターに乗り、真依のいる病室に着いた潤。
ドアを静かに開けて、壁に松葉杖を危なくないようにそっと立て掛ける。
そして、丸椅子に腰をかけた後に「──真依」と名前を呼びながら真依の手をぎゅっと握りしめる潤。
真依の指先はいつも冷えていて冷たい。
ベッドで横になっている日が続いているせいか、真依の体がほんの少し痩せたように感じた。
真依の顔は腫れも傷も見るたびに綺麗に引いて治ってきていた。