クリスマスの夜に、ただ一つの願い事を
・第十章
……12月25日……
……クリスマス……
……夕方・午後5時……
町の景色は完全にクリスマス一色に色とりどられていた。
学校帰り、真依の病室にいる潤。
「もっと、早く来ようと思ったんだけど、遅くなってしまった……」
潤がコートを脱ぎながら目を覚まさない真依に話しかける。
この間の真依の返事をまだ聞いてなかったけれど、俺、勝手に来ちゃったぞ。
今日は、どこを歩いてもカップルでいっぱいで、まいったな。
真依、今日は何の日か知ってる──?
クリスマスの日だよ。
少しでも一緒に過ごしたくて、今日は部活を休んできた。