【放浪恋愛】アリョーナの旅路~ソッフィオーネを鳴らすまで
第5話
アタシは、ボストンバッグと赤茶色のバッグを持ってフィリップさんの家を飛び出した後、再びナスティアが暮らしているアパートへ逃げ込みました。
ナスティアが暮らしているアパートの部屋にて…
アタシは、ナスティアにフィリップさんの家から逃げ出してきたことを泣きながら話した…
ナスティアは、くすんくすんと泣いているアタシにこう言うていた…
「フィリップさんの家から逃げ出してきたのね。」
「もちろんよ…あの結婚式は何だったのかな…ふたりきりで結婚生活をおくろうねと言って…新生活三日目にフィリップさんの両親と妹が転がり込んできたから…夫婦生活はそこから大きく狂ってしまったわ…こんなはずではなかったわ…」
ナスティアは『こんなはずではなかったのね…』と言うてから、アタシにこう言うた…
「それで、アリョーナはフィリップさんと今すぐに離婚をしたいの?」
「言わなくても分かるでしょ!!フィリップさんのお母さまが大病で倒れて、お父さまと妹はしくしくメソメソと泣いているだけ…あきれたわよ!!アタシね!!フィリップさんと結婚をしたことを思い切り後悔しているのよ!!」
「後悔しているのね。」
「おまけに、フィリップさんもフィリップさんで…家出して行方不明になってしまったのよ…こんな中で結婚生活を続けて行くなんて…できないわよ!!」
アタシは、テーブルに顔を伏せて思い切り泣き叫んでいた…
アタシは、フィリップさんとすぐに離婚をしたいと思っていたけど、その前に大きなカベが立ちはだかっていた…
ひとつは、フィリップさんのお母さまの介護の問題があった…
フィリップさんが家出をして行方をくらませているその上に、お父さまと妹がしくしくメソメソと泣いているから、全くアテにならない…
そんな時は、コートダジュールに住んでいる二組のお兄さん夫婦に介護のお願いをしたい…
けれど、二組のお兄さん夫婦は自分たちの生活のことで手がまわらない…ううん、自分勝手なことばかりをしているので、信用できない…
そしてもうひとつは、フィリップさんのお父さまと妹の心のケアの問題など…
他にも、フィリップさんの家庭を取り巻いている問題が山積されていた…
けど、アタシは弱虫のフィリップさんの家族を助けることは死んでもイヤ…
だから、助けることはできません。
そして、8月29日のことであった…
アタシが朝のバイトをしているサンルイ病院のリネン室にて…
アタシは、一緒に仕事をしている60代の女性からフィリップさんとよく似た男の人が、区役所の制服を着ている女性と密会をしているところを見たとアタシに話していた…
60代の女性は、アタシに『いいにくい話なのだけど…』と口ごもった声で言った後、アタシにこう言うていた…
「アリョーナさん…フィリップさんのことなのだけどね…この最近、区役所の勤務態度が悪いみたいね…その上に、区役所の女性職員とデキていると言うウワサを小耳に挟んだのだけど…こんなことをアリョーナさんに話していいのかどうか迷っていたけどね…」
アタシは、年輩の女性からのフィリップさんが区役所の女性職員とデキている話を聞いてしまった、気持ちが動揺していた…
さらにアタシはこのあと、年輩の女性から信じられない言葉を聞いたので、乳房(むね)の奥に激しい衝撃が走っていた…
「あのね…うちのむすめから聞いた話なのだけど…ううん、やめておくわ…こんなことをアリョーナさんに話してもいいのかどうか…」
「あのー…娘さんから聞いた話と言うのは、どういうことなのか教えてください。」
「分かったわ…それじゃあ…気をしっかりして聞いてちょうだい!!フィリップさん…区役所の女性職員と…フリンの関係を持っていたと言うウワサが、流れていたのよ…しかも…フィリップさんは…そうとうのめりこんでしまったみたいよ…」
「フィリップさんが…フリン?」
「問題の女性職員さんには、婚約者がいると言うのに、婚約者をないがしろにしておいて、フィリップさんにのぼせているのよ!!婚約者の親御さんが、それを聞いたのでカンカンに怒っていたわよ!!」
えっ…
もしかして…
アタシの動揺は、さらに拡大していた…
年輩の女性は、きつい言葉でアタシをなじっていた…
「アリョーナさん!!あんたはね!!結婚相手を間違えていたようね!!」
「それはどういう意味なのですか!?」
「意味はないけど…あんたねぇ、フィリップさんの妻として恥ずかしいとは思わないのかしらァ?自分のダンナをコントロールできないなんて、サイテーねぇ…アリョーナさんは、その前にも離婚していたよねぇし…生まれ故郷のハバロフスクの家にいた時には、お見合い結婚を反古にして、家出をしたと聞いているし…」
「やめてください!!これ以上アタシの過去をむしり返さないで!!」
アタシは、なおもキツイ言葉を言われたので、頭の中でパニックを起こしていた…
アタシはこの時、パリにも居場所をなくしていたことに気がついたので、途方にくれていた…
このままでは…
フィリップさんの家に殺されてしまうわ…
アタシの中で、より強い危機感がつのり始めていた…
8月31日、とうとうアタシは気持ちがヒヘイしていたので、バイトを休んでしまいました。
アタシは、ひとりぼっちでリュクサンブール公園の中にあるオノラ広場にあるベンチにひとりぼっちで座っていた…
この先、どうしようかと途方にくれていた時でありました。
「アリョーナ…アリョーナ…」
アタシの名前を呼ぶ男性の声が、風に乗って聞こえていた…
まさか…
その声は…
タメルランなの?
アタシは、ベンチから立ち上がって広場の周囲をうかがってみた…
そしたら…
タメルランが、200メートル先の場所でアタシに手を降っていた…
「アリョーナ…アリョーナ…オレは…ここにいるよ…アリョーナ…おーい…アリョーナ…」
アタシは、1年前にハバロフスク市内の公園の広場で別れてからそれきりになっていたタメルランと再会をすることができた…
「アリョーナ…アリョーナ…」
タメルランは、アタシの方に向かって走って行った…
そして、ふたりは1年ぶりに再会を果した…
会いたかったわ…
アタシは、タメルランのことをずっと探していたのよ…
アタシはうれしくて…
涙で顔がくしゃくしゃに濡れていた…
「タメルラン…本当にタメルランなのね。」
「アリョーナ。」
アタシは、タメルランの胸に抱きついたあ、声をあげて思い切り泣いていた…
「タメルラン…アタシ…タメルランに会いたかったわ…アタシ…タメルランのことを…ずっと探していたの…タメルラン…タメルラン…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
「アリョーナ。」
「タメルラン…ごめんね…またアタシ…結婚生活に失敗してしまったの。」
「アリョーナ…何でだよ…オレのことが好きなのに…何で…オレ以外の男の人と結婚をしたのだよ?なあ、アリョーナ!!」
「だって…タメルランがどこにいるのか…分からなかったの…グロズヌイに帰ったとばかり思っていたから…アタシ…」
「アリョーナ。」
再会を果たしたふたりは、モントルグイコ通りにある小さなホテルまで腕を組んで歩いて行きました。
小さなホテルの小部屋にて…
アタシはシルクのキャミソールとショートパンツ姿で、タメルランはランニングシャツとトランクス姿になっていた…
ふたりは、互いのさみしさとむなしさを埋めるためにベッドの上で抱き合っていた…
「あっ…ああ、ああ、ああ、ああ、ああ…」
「アリョーナ…アリョーナ…」
「あん…タメルラン…汚して…いっぱい汚して…アリョーナのからだを…グチョグチョに汚して…」
タメルランに抱かれているアタシは、やらしい声をあげてよがり狂っていた…
それから2時間後のことであった…
アタシは、タメルランの胸で目覚めた…
ふたりは、こんな会話をしていた…
「ねえタメルラン。」
「アリョーナ。」
「タメルランは、アタシと別れてハバロフスクを出た後…そのままグロズヌイに帰っていたのかな?…ねえ…タメルラン…」
「グロズヌイに帰るには帰ったけど…帰って早々に…街が戦場と化していたのだよ…武装勢力と(ロシアの)正規軍との戦闘から逃れるために…ソチにいるおふくろの親戚の家に…幼いきょうだいたちと一緒に避難をしていた…」
「幼いきょうだいたちと一緒に…ソチにいたのね。」
「ごめん…本当だったら、アリョーナに一刻でも早く伝えようとしていたけど…アリョーナがどこにいるのか分からなくて…オレ…」
「タメルラン…」
アタシは、ひと間隔をあけてからタメルランにこう言うた…
「アタシね…ハバロフスクを出た後に…サンクトペテルブルグで暮らしていたの…ピロシキカフェとナイトクラブをかけもちでバイトをしていたの…それから…ドイツで結婚式をあげて、最初のダンナと暮らしていたの…けどサイテーサイアクの男だったわ…最初のダンナはプータローでアタシのヒモになっていたのよ…」
「アリョーナ。」
「フィリップさんも、ふたりきりで結婚生活を送ろうねと言うたのに…結婚をして早々に…親きょうだいが急に転がり込んできたのよ…そのあげくに、フィリップさんは家出をして行方不明になってしまった…どうすることもできないわよ…」
アタシの言葉を聞いたタメルランは、アタシを優しく抱きしめていた…
「アリョーナ…もう一度…ふたりでやり直さないか?」
「タメルラン。」
「オレ…アリョーナのことが…好きなんだよ…アリョーナ…オレを満たしてほしい。」
「タメルラン。」
「できればもう一度…あの日に戻って…やり直そうか…」
タメルランは、アタシにもう一度やり直そうと言うたあと、アタシのからだをギュッと抱きしめて、やさしいキスをした…
タメルランは、アタシの右のくびすじからふくよか過ぎる乳房~おへその周り~下の部分~つま先をグチョグチョになめ回して汚したあと、なかに棒を思いきり押しこめて、アタシをおかしていた…
その後、タメルランはアタシのからだにねばついたものを大量にかけて汚しまくっていた…
グチョグチョに汚れた姿になっているアタシは、くすんくすんと泣いていた…
それからアタシは、タメルランと会うようになっていたけど、ただ会ってさみしさとむなしさをうめるためにからだを求め合うだけの関係であった…
そんなことばかりが一ヶ月間つづいていた…
アタシは、知らないうちにフィリップさんとフィリップさんの家の親族とのが気まずくなっていることなどおかまいなしになっていた…
2012年9月28日のことであった…
市立病院に入院をしていたフィリップさんのお母さまが、明け方6時前頃に容態が急変した…
フィリップさんのお母さまは、血圧の上が一気に40までに低下をして、呼吸数も極力減るなど、容態は一刻を争う事態になっていた…
フィリップさんのお母さまは、朝8時前に入院先の病院で心不全のために神様の元へ旅立って行きました。
フィリップさんのお母さまが亡くなられてから2時間後に、フィリップさんのお父さまがモンテニュー大通りで乗用車にはねられてなくなった…
おりが悪いことに、フィリップさんのお父さまには1000万ユーロの借金があったことが明らかになった…
残されたフィリップさんの妹さんが債権者たちに取り囲まれて『借金を返せ!!』とすごまれていた…
フィリップさんの妹さんは、アタシが働いているサンルイ病院のリネン室にとつぜんやって来て、アタシに助けを求めていた…
フィリップさんの妹さんは、父親が残した1000万ユーロの借金のことと両親がいなくなったので、ひとりではどうすることもできないから助けてほしいと求めていた…
フィリップさんの妹さんがアタシに助けてほしいと言うていたけど、アタシはイヤと言うて拒否した…
しかし、フィリップさんの妹さんがその場から動かなかったので、アタシはフィリップさんの妹さんに思いきり怒鳴りつけていた…
「あんたね!!ハイスクールを中退して、無気力状態をズルズルと長引かせていたから、痛い目に遭ったのでしょ!!助けてほしい助けてほしいとアタシに言うようだけど、アタシにどうしてほしいと言いたいのかしら!?あんたは、アタシが何で怒っていると言うことがゼンゼン分かっていないみたいね!!コラ!!よそみばかりしないで、アタシの話を聞きなさいよ!!」
「アリョーナさん、お願いです助けてください…父親が残した1000万ユーロの借金が返せなくなったので、寝るところもないし、食べる物もないの…お願い…助けてよぉ。」
フィリップさんの妹さんは、なおも泣きながらアタシに助けを求めていたので、アタシはなおもイラついた声でフィリップさんの妹さんに怒鳴りつけていた…
「あんたね!!助けを求めるべき相手を間違えているわよ!!本来ならば、ニースにいるお兄さん夫婦たちのところへお願いをしに行くべきでしょ!!分かっているのかしら!?」
「ですから、どうしてニースの兄夫婦を出してくるのですか!?兄夫婦たちは今…」
「自分たちのことで手がいっぱいだと言いたいのでしょ!!」
「アリョーナさん!!」
「あんたのお兄さんたちは非情なのよ!!自分たちさえよければいいとしか思っていないのよ!!アタシが言っていることは間違っているかしら!?」
「アリョーナさん!!どうして兄夫婦たちのことを非情だと言うのですか!?」
「やかましいわね世間知らずの小娘!!自分勝手じゃなかったら何なのかしら!?言ってみなさいよ!!」
「アリョーナさん!!兄夫婦たちは、どちらも娘さんの結婚問題で神経をとがらせているのです!!」
「そんな作り話なんか信用できないわ!!都合が悪くなればそうやって、娘さんの結婚問題をダシにしてアタシに助けを求めているじゃないのよ!!」
「アリョーナさん!!」
「それじゃあ!!あんたの兄夫婦たちは、いつまで娘さんの結婚問題を長引かせるつもりでいるのかしら!?」
「二番目の兄夫婦は、まだ娘の結婚問題が長引いて…解決ができていないの…でも…一番上の兄夫婦の娘さんは…両親が決めた相手と結婚すると言って…解決できたのよ。」
「だったら、一番上の兄夫婦のところへ行きなさいよ!!」
「できればそのようにしたいのです…けれど…行けないのです。」
「あつかましい小娘ね!!それは一体どういうことなのかしら!?」
「娘さんの結婚問題は解決したのだけど…今度は、ひとり息子が離婚すると言って来たのよ…それで…」
「あんたカタの兄夫婦の家は次から次へともめ事ばかりが起こっているようだけど!!どういうことなのかしら!?…と言うことは、パリに逃げた両親とあんたのことはどうでもよしになっていると言うことがよーく分かったわよ!!」
「アリョーナさん!!助けてください!!ニースに行けないのは本当なのです!!アリョーナさんしか頼める人がいないのです!!」
「だから!!どうしてあんたはそこでアタシに求めてくるのかしら!?」
「助けてください!!アリョーナさん、お願いです!!当面の生活費だけでも下さい!!」
「断るわ!!あんたね!!アタシは今、仕事をしているのよ!!アタシの仕事のジャマをするのであれば帰ってよ!!」
アタシは、フィリップさんの妹さんを突き放した後にリネンの仕事を再開した…
9月29日のことであった…
アタシは、タメルランに会いたい気持ちでいっぱいになっていたので、カレのケータイに電話をかけてみた…
しかし、タメルランは電話には出なかったので、アタシはますます不安な気持ちにさいなまされていた…
ねえ、タメルラン…
今、どこにいるのよ…
お願い…
電話に出てよぉ…
アタシが、最後にタメルランと会ったのは9月20日の夕方であった…
それから10日の間、アタシはカレとは会っていなかった…
アタシのさみしさは、ますますつのるばかりであった…
その一方で、フィリップさんの家の問題が放置されたままになっていた…
アタシは、このさいだから思いきってニースへ行ってみようかと思っていた…
アタシは、9月30日にニース郊外で暮らしているフィリップさんのお兄さん夫婦たちに会いに行くために、朝イチの列車に乗ってニースへ向かいました。
アタシは、フィリップさんのお兄さん夫婦たちのもとに行って、家が今どういう状況になっているのかをお兄さん夫婦たちに伝えた上で、妹さんを助けてほしいとお願いしていた…
しかし、お兄さん夫婦たちは『今はそれどころじゃない!!』と言うて拒否していた…
やっぱり…
アタシが思っていた通りに…
あいつのおにいの夫婦は…
自分たちさえよければいいと言うのが証明できたわ…
その日の夕方のことであった…
アタシは、夕暮れの浜辺に行って、ひとりぼっちで海をながめていた…
アタシは、夕日に染まっているエーゲ海をながめながら、こんなことを思っていた…
アタシは…
ひょっとしたら、良縁に恵まれていなかったのかもしれない…
いくつ恋をしても…
すぐに愛が壊れてばかりが続いているから…
アタシのことを、愛してくれる人は…
この世には、いないと思うわ…
アタシは、夕暮れの海をながめながらくすんくすんと泣いていた…
そしてとうとう、アタシとフィリップさんのふたりの愛は音をたてて壊れて行こうとしていた…
アタシは、夕暮れの浜辺をとぼとぼと歩いていた…
その時に、アタシは、信じられない光景を目の当たりにしてしまった…
家出をして、区役所の職員の女性と行方をくらましていたフィリップさんが、区役所の職員の女性ともうひとりの女性と3人でいたところを目撃してしまった…
フィリップさんと区役所の職員の女性と一緒にいた女性は、フィリップさんが以前付き合っていた同い年の女性であった…
おり悪く、妊娠7ヶ月で、胎内の赤ちゃんはフィリップさんの子供であることが分かった…
3人が話していた内容はどうなっていたのかと言うと、フィリップさんはかつて付き合っていた同い年の女性と結婚の約束をしていたのに、フィリップさんが『約束した覚えなどない!!』と切り捨てるような口調で言うていたので、フィリップさんと付き合っていた女性はものすごく怒っていた…
「ひどい!!あんまりだわ!!フィリップは、アタシと約束をしたことをきれいに忘れてしまったわけなの!?」
「分かってくれよ…あの時は好きだったのだけど急に事情が変わったのだから、しょうがないのだよ。」
「何なのよその言いぐさは!!フィリップは、アタシのことが好きだと言うのは、アタシの体だけだと言いたいのね!!」
「大きな声を出すなよ…オレとお前はもう終わったのだよ…」
「何なのよ!!あんたはいつからそんな身勝手な男になってしまったのよ!?」
「何とでも言えよ!!お前がオレを身勝手な男だと言おうとも、オレは区役所で知り合ったカノジョの方が好きだから…」
キーッ!!何なのよ!!
アタシはこの時、思い切りキレていたので、3人が言い合いをしているところへ殴り込んで行きました。
「何するのよ!!」
この時、フィリップさんと付き合っていた女性は、フィリップさんに突き飛ばされてしまった…
「ひどいわ!!フィリップは気に入らなかったらアタシを突き飛ばすわけなの!?」
「ふざけるな!!オレとお前は恋人でも婚約者でもないのだ!!」
アタシは、ワーッとなった状態で3人の中へ殴りかかって行った…
「待ちなさいよ!!あんたは家出をして行方をくらまして、どこで何をしていたのかと思っていたら、区役所の職員の女性とかけおちをしてここまで来ていたわけなのね!!」
「アリョーナ…」
フィリップさんは、ものすごく怒っているアタシの顔を見たときに、表情が真っ青になっていた…
区役所の職員の女性とフィリップさんと付き合っていた女性は、フィリップさんがアタシと結婚をしていたことを聞いたので、これは一体どういうことなのよと激怒していた…
「フィリップ。」
「フィリップさん…」
「キーッ!!もう許さないわ!!」
このあと、アタシは区役所の職員の女性とフィリップさんと付き合っていた女性との間で殴り合いの大ゲンカになってしまった…
アタシと女2人は、血しぶきをあげるレベルの力で殴るけるの大ゲンカを起こしたので、顔に大けがを負ってしまった…
アタシとフィリップさんは、サイアクの形で愛が壊れてしまいました。
ナスティアが暮らしているアパートの部屋にて…
アタシは、ナスティアにフィリップさんの家から逃げ出してきたことを泣きながら話した…
ナスティアは、くすんくすんと泣いているアタシにこう言うていた…
「フィリップさんの家から逃げ出してきたのね。」
「もちろんよ…あの結婚式は何だったのかな…ふたりきりで結婚生活をおくろうねと言って…新生活三日目にフィリップさんの両親と妹が転がり込んできたから…夫婦生活はそこから大きく狂ってしまったわ…こんなはずではなかったわ…」
ナスティアは『こんなはずではなかったのね…』と言うてから、アタシにこう言うた…
「それで、アリョーナはフィリップさんと今すぐに離婚をしたいの?」
「言わなくても分かるでしょ!!フィリップさんのお母さまが大病で倒れて、お父さまと妹はしくしくメソメソと泣いているだけ…あきれたわよ!!アタシね!!フィリップさんと結婚をしたことを思い切り後悔しているのよ!!」
「後悔しているのね。」
「おまけに、フィリップさんもフィリップさんで…家出して行方不明になってしまったのよ…こんな中で結婚生活を続けて行くなんて…できないわよ!!」
アタシは、テーブルに顔を伏せて思い切り泣き叫んでいた…
アタシは、フィリップさんとすぐに離婚をしたいと思っていたけど、その前に大きなカベが立ちはだかっていた…
ひとつは、フィリップさんのお母さまの介護の問題があった…
フィリップさんが家出をして行方をくらませているその上に、お父さまと妹がしくしくメソメソと泣いているから、全くアテにならない…
そんな時は、コートダジュールに住んでいる二組のお兄さん夫婦に介護のお願いをしたい…
けれど、二組のお兄さん夫婦は自分たちの生活のことで手がまわらない…ううん、自分勝手なことばかりをしているので、信用できない…
そしてもうひとつは、フィリップさんのお父さまと妹の心のケアの問題など…
他にも、フィリップさんの家庭を取り巻いている問題が山積されていた…
けど、アタシは弱虫のフィリップさんの家族を助けることは死んでもイヤ…
だから、助けることはできません。
そして、8月29日のことであった…
アタシが朝のバイトをしているサンルイ病院のリネン室にて…
アタシは、一緒に仕事をしている60代の女性からフィリップさんとよく似た男の人が、区役所の制服を着ている女性と密会をしているところを見たとアタシに話していた…
60代の女性は、アタシに『いいにくい話なのだけど…』と口ごもった声で言った後、アタシにこう言うていた…
「アリョーナさん…フィリップさんのことなのだけどね…この最近、区役所の勤務態度が悪いみたいね…その上に、区役所の女性職員とデキていると言うウワサを小耳に挟んだのだけど…こんなことをアリョーナさんに話していいのかどうか迷っていたけどね…」
アタシは、年輩の女性からのフィリップさんが区役所の女性職員とデキている話を聞いてしまった、気持ちが動揺していた…
さらにアタシはこのあと、年輩の女性から信じられない言葉を聞いたので、乳房(むね)の奥に激しい衝撃が走っていた…
「あのね…うちのむすめから聞いた話なのだけど…ううん、やめておくわ…こんなことをアリョーナさんに話してもいいのかどうか…」
「あのー…娘さんから聞いた話と言うのは、どういうことなのか教えてください。」
「分かったわ…それじゃあ…気をしっかりして聞いてちょうだい!!フィリップさん…区役所の女性職員と…フリンの関係を持っていたと言うウワサが、流れていたのよ…しかも…フィリップさんは…そうとうのめりこんでしまったみたいよ…」
「フィリップさんが…フリン?」
「問題の女性職員さんには、婚約者がいると言うのに、婚約者をないがしろにしておいて、フィリップさんにのぼせているのよ!!婚約者の親御さんが、それを聞いたのでカンカンに怒っていたわよ!!」
えっ…
もしかして…
アタシの動揺は、さらに拡大していた…
年輩の女性は、きつい言葉でアタシをなじっていた…
「アリョーナさん!!あんたはね!!結婚相手を間違えていたようね!!」
「それはどういう意味なのですか!?」
「意味はないけど…あんたねぇ、フィリップさんの妻として恥ずかしいとは思わないのかしらァ?自分のダンナをコントロールできないなんて、サイテーねぇ…アリョーナさんは、その前にも離婚していたよねぇし…生まれ故郷のハバロフスクの家にいた時には、お見合い結婚を反古にして、家出をしたと聞いているし…」
「やめてください!!これ以上アタシの過去をむしり返さないで!!」
アタシは、なおもキツイ言葉を言われたので、頭の中でパニックを起こしていた…
アタシはこの時、パリにも居場所をなくしていたことに気がついたので、途方にくれていた…
このままでは…
フィリップさんの家に殺されてしまうわ…
アタシの中で、より強い危機感がつのり始めていた…
8月31日、とうとうアタシは気持ちがヒヘイしていたので、バイトを休んでしまいました。
アタシは、ひとりぼっちでリュクサンブール公園の中にあるオノラ広場にあるベンチにひとりぼっちで座っていた…
この先、どうしようかと途方にくれていた時でありました。
「アリョーナ…アリョーナ…」
アタシの名前を呼ぶ男性の声が、風に乗って聞こえていた…
まさか…
その声は…
タメルランなの?
アタシは、ベンチから立ち上がって広場の周囲をうかがってみた…
そしたら…
タメルランが、200メートル先の場所でアタシに手を降っていた…
「アリョーナ…アリョーナ…オレは…ここにいるよ…アリョーナ…おーい…アリョーナ…」
アタシは、1年前にハバロフスク市内の公園の広場で別れてからそれきりになっていたタメルランと再会をすることができた…
「アリョーナ…アリョーナ…」
タメルランは、アタシの方に向かって走って行った…
そして、ふたりは1年ぶりに再会を果した…
会いたかったわ…
アタシは、タメルランのことをずっと探していたのよ…
アタシはうれしくて…
涙で顔がくしゃくしゃに濡れていた…
「タメルラン…本当にタメルランなのね。」
「アリョーナ。」
アタシは、タメルランの胸に抱きついたあ、声をあげて思い切り泣いていた…
「タメルラン…アタシ…タメルランに会いたかったわ…アタシ…タメルランのことを…ずっと探していたの…タメルラン…タメルラン…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」
「アリョーナ。」
「タメルラン…ごめんね…またアタシ…結婚生活に失敗してしまったの。」
「アリョーナ…何でだよ…オレのことが好きなのに…何で…オレ以外の男の人と結婚をしたのだよ?なあ、アリョーナ!!」
「だって…タメルランがどこにいるのか…分からなかったの…グロズヌイに帰ったとばかり思っていたから…アタシ…」
「アリョーナ。」
再会を果たしたふたりは、モントルグイコ通りにある小さなホテルまで腕を組んで歩いて行きました。
小さなホテルの小部屋にて…
アタシはシルクのキャミソールとショートパンツ姿で、タメルランはランニングシャツとトランクス姿になっていた…
ふたりは、互いのさみしさとむなしさを埋めるためにベッドの上で抱き合っていた…
「あっ…ああ、ああ、ああ、ああ、ああ…」
「アリョーナ…アリョーナ…」
「あん…タメルラン…汚して…いっぱい汚して…アリョーナのからだを…グチョグチョに汚して…」
タメルランに抱かれているアタシは、やらしい声をあげてよがり狂っていた…
それから2時間後のことであった…
アタシは、タメルランの胸で目覚めた…
ふたりは、こんな会話をしていた…
「ねえタメルラン。」
「アリョーナ。」
「タメルランは、アタシと別れてハバロフスクを出た後…そのままグロズヌイに帰っていたのかな?…ねえ…タメルラン…」
「グロズヌイに帰るには帰ったけど…帰って早々に…街が戦場と化していたのだよ…武装勢力と(ロシアの)正規軍との戦闘から逃れるために…ソチにいるおふくろの親戚の家に…幼いきょうだいたちと一緒に避難をしていた…」
「幼いきょうだいたちと一緒に…ソチにいたのね。」
「ごめん…本当だったら、アリョーナに一刻でも早く伝えようとしていたけど…アリョーナがどこにいるのか分からなくて…オレ…」
「タメルラン…」
アタシは、ひと間隔をあけてからタメルランにこう言うた…
「アタシね…ハバロフスクを出た後に…サンクトペテルブルグで暮らしていたの…ピロシキカフェとナイトクラブをかけもちでバイトをしていたの…それから…ドイツで結婚式をあげて、最初のダンナと暮らしていたの…けどサイテーサイアクの男だったわ…最初のダンナはプータローでアタシのヒモになっていたのよ…」
「アリョーナ。」
「フィリップさんも、ふたりきりで結婚生活を送ろうねと言うたのに…結婚をして早々に…親きょうだいが急に転がり込んできたのよ…そのあげくに、フィリップさんは家出をして行方不明になってしまった…どうすることもできないわよ…」
アタシの言葉を聞いたタメルランは、アタシを優しく抱きしめていた…
「アリョーナ…もう一度…ふたりでやり直さないか?」
「タメルラン。」
「オレ…アリョーナのことが…好きなんだよ…アリョーナ…オレを満たしてほしい。」
「タメルラン。」
「できればもう一度…あの日に戻って…やり直そうか…」
タメルランは、アタシにもう一度やり直そうと言うたあと、アタシのからだをギュッと抱きしめて、やさしいキスをした…
タメルランは、アタシの右のくびすじからふくよか過ぎる乳房~おへその周り~下の部分~つま先をグチョグチョになめ回して汚したあと、なかに棒を思いきり押しこめて、アタシをおかしていた…
その後、タメルランはアタシのからだにねばついたものを大量にかけて汚しまくっていた…
グチョグチョに汚れた姿になっているアタシは、くすんくすんと泣いていた…
それからアタシは、タメルランと会うようになっていたけど、ただ会ってさみしさとむなしさをうめるためにからだを求め合うだけの関係であった…
そんなことばかりが一ヶ月間つづいていた…
アタシは、知らないうちにフィリップさんとフィリップさんの家の親族とのが気まずくなっていることなどおかまいなしになっていた…
2012年9月28日のことであった…
市立病院に入院をしていたフィリップさんのお母さまが、明け方6時前頃に容態が急変した…
フィリップさんのお母さまは、血圧の上が一気に40までに低下をして、呼吸数も極力減るなど、容態は一刻を争う事態になっていた…
フィリップさんのお母さまは、朝8時前に入院先の病院で心不全のために神様の元へ旅立って行きました。
フィリップさんのお母さまが亡くなられてから2時間後に、フィリップさんのお父さまがモンテニュー大通りで乗用車にはねられてなくなった…
おりが悪いことに、フィリップさんのお父さまには1000万ユーロの借金があったことが明らかになった…
残されたフィリップさんの妹さんが債権者たちに取り囲まれて『借金を返せ!!』とすごまれていた…
フィリップさんの妹さんは、アタシが働いているサンルイ病院のリネン室にとつぜんやって来て、アタシに助けを求めていた…
フィリップさんの妹さんは、父親が残した1000万ユーロの借金のことと両親がいなくなったので、ひとりではどうすることもできないから助けてほしいと求めていた…
フィリップさんの妹さんがアタシに助けてほしいと言うていたけど、アタシはイヤと言うて拒否した…
しかし、フィリップさんの妹さんがその場から動かなかったので、アタシはフィリップさんの妹さんに思いきり怒鳴りつけていた…
「あんたね!!ハイスクールを中退して、無気力状態をズルズルと長引かせていたから、痛い目に遭ったのでしょ!!助けてほしい助けてほしいとアタシに言うようだけど、アタシにどうしてほしいと言いたいのかしら!?あんたは、アタシが何で怒っていると言うことがゼンゼン分かっていないみたいね!!コラ!!よそみばかりしないで、アタシの話を聞きなさいよ!!」
「アリョーナさん、お願いです助けてください…父親が残した1000万ユーロの借金が返せなくなったので、寝るところもないし、食べる物もないの…お願い…助けてよぉ。」
フィリップさんの妹さんは、なおも泣きながらアタシに助けを求めていたので、アタシはなおもイラついた声でフィリップさんの妹さんに怒鳴りつけていた…
「あんたね!!助けを求めるべき相手を間違えているわよ!!本来ならば、ニースにいるお兄さん夫婦たちのところへお願いをしに行くべきでしょ!!分かっているのかしら!?」
「ですから、どうしてニースの兄夫婦を出してくるのですか!?兄夫婦たちは今…」
「自分たちのことで手がいっぱいだと言いたいのでしょ!!」
「アリョーナさん!!」
「あんたのお兄さんたちは非情なのよ!!自分たちさえよければいいとしか思っていないのよ!!アタシが言っていることは間違っているかしら!?」
「アリョーナさん!!どうして兄夫婦たちのことを非情だと言うのですか!?」
「やかましいわね世間知らずの小娘!!自分勝手じゃなかったら何なのかしら!?言ってみなさいよ!!」
「アリョーナさん!!兄夫婦たちは、どちらも娘さんの結婚問題で神経をとがらせているのです!!」
「そんな作り話なんか信用できないわ!!都合が悪くなればそうやって、娘さんの結婚問題をダシにしてアタシに助けを求めているじゃないのよ!!」
「アリョーナさん!!」
「それじゃあ!!あんたの兄夫婦たちは、いつまで娘さんの結婚問題を長引かせるつもりでいるのかしら!?」
「二番目の兄夫婦は、まだ娘の結婚問題が長引いて…解決ができていないの…でも…一番上の兄夫婦の娘さんは…両親が決めた相手と結婚すると言って…解決できたのよ。」
「だったら、一番上の兄夫婦のところへ行きなさいよ!!」
「できればそのようにしたいのです…けれど…行けないのです。」
「あつかましい小娘ね!!それは一体どういうことなのかしら!?」
「娘さんの結婚問題は解決したのだけど…今度は、ひとり息子が離婚すると言って来たのよ…それで…」
「あんたカタの兄夫婦の家は次から次へともめ事ばかりが起こっているようだけど!!どういうことなのかしら!?…と言うことは、パリに逃げた両親とあんたのことはどうでもよしになっていると言うことがよーく分かったわよ!!」
「アリョーナさん!!助けてください!!ニースに行けないのは本当なのです!!アリョーナさんしか頼める人がいないのです!!」
「だから!!どうしてあんたはそこでアタシに求めてくるのかしら!?」
「助けてください!!アリョーナさん、お願いです!!当面の生活費だけでも下さい!!」
「断るわ!!あんたね!!アタシは今、仕事をしているのよ!!アタシの仕事のジャマをするのであれば帰ってよ!!」
アタシは、フィリップさんの妹さんを突き放した後にリネンの仕事を再開した…
9月29日のことであった…
アタシは、タメルランに会いたい気持ちでいっぱいになっていたので、カレのケータイに電話をかけてみた…
しかし、タメルランは電話には出なかったので、アタシはますます不安な気持ちにさいなまされていた…
ねえ、タメルラン…
今、どこにいるのよ…
お願い…
電話に出てよぉ…
アタシが、最後にタメルランと会ったのは9月20日の夕方であった…
それから10日の間、アタシはカレとは会っていなかった…
アタシのさみしさは、ますますつのるばかりであった…
その一方で、フィリップさんの家の問題が放置されたままになっていた…
アタシは、このさいだから思いきってニースへ行ってみようかと思っていた…
アタシは、9月30日にニース郊外で暮らしているフィリップさんのお兄さん夫婦たちに会いに行くために、朝イチの列車に乗ってニースへ向かいました。
アタシは、フィリップさんのお兄さん夫婦たちのもとに行って、家が今どういう状況になっているのかをお兄さん夫婦たちに伝えた上で、妹さんを助けてほしいとお願いしていた…
しかし、お兄さん夫婦たちは『今はそれどころじゃない!!』と言うて拒否していた…
やっぱり…
アタシが思っていた通りに…
あいつのおにいの夫婦は…
自分たちさえよければいいと言うのが証明できたわ…
その日の夕方のことであった…
アタシは、夕暮れの浜辺に行って、ひとりぼっちで海をながめていた…
アタシは、夕日に染まっているエーゲ海をながめながら、こんなことを思っていた…
アタシは…
ひょっとしたら、良縁に恵まれていなかったのかもしれない…
いくつ恋をしても…
すぐに愛が壊れてばかりが続いているから…
アタシのことを、愛してくれる人は…
この世には、いないと思うわ…
アタシは、夕暮れの海をながめながらくすんくすんと泣いていた…
そしてとうとう、アタシとフィリップさんのふたりの愛は音をたてて壊れて行こうとしていた…
アタシは、夕暮れの浜辺をとぼとぼと歩いていた…
その時に、アタシは、信じられない光景を目の当たりにしてしまった…
家出をして、区役所の職員の女性と行方をくらましていたフィリップさんが、区役所の職員の女性ともうひとりの女性と3人でいたところを目撃してしまった…
フィリップさんと区役所の職員の女性と一緒にいた女性は、フィリップさんが以前付き合っていた同い年の女性であった…
おり悪く、妊娠7ヶ月で、胎内の赤ちゃんはフィリップさんの子供であることが分かった…
3人が話していた内容はどうなっていたのかと言うと、フィリップさんはかつて付き合っていた同い年の女性と結婚の約束をしていたのに、フィリップさんが『約束した覚えなどない!!』と切り捨てるような口調で言うていたので、フィリップさんと付き合っていた女性はものすごく怒っていた…
「ひどい!!あんまりだわ!!フィリップは、アタシと約束をしたことをきれいに忘れてしまったわけなの!?」
「分かってくれよ…あの時は好きだったのだけど急に事情が変わったのだから、しょうがないのだよ。」
「何なのよその言いぐさは!!フィリップは、アタシのことが好きだと言うのは、アタシの体だけだと言いたいのね!!」
「大きな声を出すなよ…オレとお前はもう終わったのだよ…」
「何なのよ!!あんたはいつからそんな身勝手な男になってしまったのよ!?」
「何とでも言えよ!!お前がオレを身勝手な男だと言おうとも、オレは区役所で知り合ったカノジョの方が好きだから…」
キーッ!!何なのよ!!
アタシはこの時、思い切りキレていたので、3人が言い合いをしているところへ殴り込んで行きました。
「何するのよ!!」
この時、フィリップさんと付き合っていた女性は、フィリップさんに突き飛ばされてしまった…
「ひどいわ!!フィリップは気に入らなかったらアタシを突き飛ばすわけなの!?」
「ふざけるな!!オレとお前は恋人でも婚約者でもないのだ!!」
アタシは、ワーッとなった状態で3人の中へ殴りかかって行った…
「待ちなさいよ!!あんたは家出をして行方をくらまして、どこで何をしていたのかと思っていたら、区役所の職員の女性とかけおちをしてここまで来ていたわけなのね!!」
「アリョーナ…」
フィリップさんは、ものすごく怒っているアタシの顔を見たときに、表情が真っ青になっていた…
区役所の職員の女性とフィリップさんと付き合っていた女性は、フィリップさんがアタシと結婚をしていたことを聞いたので、これは一体どういうことなのよと激怒していた…
「フィリップ。」
「フィリップさん…」
「キーッ!!もう許さないわ!!」
このあと、アタシは区役所の職員の女性とフィリップさんと付き合っていた女性との間で殴り合いの大ゲンカになってしまった…
アタシと女2人は、血しぶきをあげるレベルの力で殴るけるの大ゲンカを起こしたので、顔に大けがを負ってしまった…
アタシとフィリップさんは、サイアクの形で愛が壊れてしまいました。