あたしを知らないキミへ
朋美があたしの席に来て、椅子を持ってくる。

「朋美、なんか髪伸びた?」
「本当?嬉しいー!変わらず髪伸ばしてるんだぁ」

最近色んなことがあって気づかなかったけど、明らかに朋美の髪の毛は前よりも伸びていた。
それと、いつも朋美は髪の毛巻いてるから、あまり変化が分からなかった。
今日は久しぶりにストレートだから、よく分かる。

メイクは相変わらずだ。
いつも鏡とにらめっこしてる朋美。

「ねー朋美」
「ん?」
「どうしたら忘れられんの?」

こんな話、急にしたのは変だったよな・・。
どーせ暗くなるだけだし。
朋美は一瞬、ご飯を食べる手を止めたけど、そのご飯を口に入れてから箸を置いた。
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