あたしを知らないキミへ
確かに、お母さんから聞いた話は初めてだったし、感動した。

だけど、この涙は違う涙なんだ。
そのことをお母さんに悟られたくなくて、あたしは少しの嘘をついた。

「恵美加・・?」
「ん?」

あたしに何か言いたそうなお母さんだったけど、
「やっぱりなんでもないわ・・」
そう言って、さっきまで飲んでいたお茶を一口飲んだ。

変なお母さん・・。

「じゃーもう部屋行くね」
「うん。分かった」

なんか分からないけど、自分の部屋に行くときお母さんの視線を感じた。
もしかしたら気のせいかもしれないし、確かな確信はないけど・・。
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