あたしを知らないキミへ

９ 彼女

夏休みが終わって、また今日から学校が始まった。

まさかの初日からアイツを見かけた。
前となんら変わりないアイツに胸がざわついた。

いつもより暑いせいか、ワイシャツの袖を少しだけめくっている。
左耳のリングピアスは、光に照らされて綺麗に光った。

そして、電車がやって来てあたしは、アンタがいない２両目の車両に乗り込んだんだ。


ガタン・・ゴトン・・


電車が動き始めて、あたしは近くの2人掛け用の椅子に座った。
今日は朋美と一緒だ。
というか、これからはしばらく朋美と一緒に朝学校に行くことになった。

朋美が言うには、「しばらくダーリンが部活で忙しくなるから一緒に行けない」とのこと。