あたしを知らないキミへ
その一瞬一瞬は、きっとあたしの人生の切れ端に過ぎない出来事なはずなのに、どうしてこんなに大きなものに感じてしまうのだろう。
まるで、この人があたしの人生からいなくなってしまったら、あたしは生きれなくなってしまうような・・・
そんな錯覚に陥る。

人を本気で愛すって、自分の人生をこんなにも大きく変えるもんなんだ・・。

そしてあたしは、さっきまで読んでいた本を、元に位置に戻して本屋を出た。

それから、朋美のところに戻った。

「あ！恵美加ー！」
あたしに気づいた朋美は、あたしに手を振っている。
「うわ・・。それマジで買うの？」

朋美が持っているかごには、溢れんばかりの服が入れられていた。
「うん！久しぶりに服見に行ったら、こんなにいっぱいになっちゃった」
そして朋美は、かごに入った沢山の服をあたしに見せてくる。
「まぁ、朋美が気に入ったんなら買えばいいんじゃん？」
「うん！」
そう言って、朋美は嬉しそうに会計に向かった。
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