あたしを知らないキミへ
朋美が隣で、すごく険しい表情をしている。

それは今乗っている電車が、満員電車であたし達は、もろ色んな人達に押しつぶされている状態。
朋美もあたしと一緒で苦しそうにしている。
どこか隙間があるところに移動しようかと思ったけど、当然そんな隙間は空いていなかった。

「朋美大丈夫？」
「ちょっときついかも・・」
「だよね・・」

軽く溜息をついた後、また電車が駅に停車した。
その駅で、結構大勢の人が降りてくれて、電車はさっきよりもだいぶ空いた。

「はぁ～。だいぶ空いたね。よかったぁ～」
そして朋美は、安堵の声を漏らした。
さっきよりも立ちやすくなった車内は、満員電車だったせいか今は空いていて居心地よく感じてしまう。

「あ、朋美・・次じゃん」
「ほんとだ！」
次の駅で、朋美の最寄り駅に着く。
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