あたしを知らないキミへ
「そんなことないよ。遅くたって恵美加は自分でその恋に気づけたじゃん。ダメだって分かっても必死にその恋追いかけて、ひたすら走ってさ・・。あたし、そんな恵美加がすごくかっこいいって思うよ」

「ねぇ朋美・・」
「うん？」
「今からすごい恥ずかしいこと言うけど、笑わないで聞いて」
「うん」
「初めてだった。こんなに人を好きになって、誰かを想ってこんなに涙流したのなんて・・。アイツのためだったら、どんなことだって犠牲にできるってそう思えたんだよ」
「それくらい恵美加は、運命の人に出逢えたってことだね。あたしもダーリンのこと、そう思えるけど、恵美加には敵わないよ・・。こんなに世界は広いのに、そのたった一人に出逢えて見つけることができて、好きになることができたんだね」

その言葉と共に、今までずっと我慢していた涙が零れ落ちてきた。

「世界は広いんだな・・」
「うん」
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