あたしを知らないキミへ
色んな事が思い浮かんできて、その想いを歌と一緒に運んだ。
改めてあたしは、今日この学校を卒業するんだと実感した。

そして歌が終わって、あたし達の卒業式は幕を閉じた。

ホームルームでも、担任の先生の話で泣いたし、クラスの皆との別れの時も泣いた。
だけど当たり前みたいに「また会おうね!」そんな言葉が飛び交って、きっとこれは永遠の別れなんかじゃないって、そう思った。

「恵美加!大好きだよ!」
ホームルームが終わって、もう皆が帰る時になった時、朋美はそう言ってあたしに泣きながら抱きついてきた。
「あたしも大好きだよ」
そう言ってあたしも、朋美を強く抱きしめた。

「あたし東京に遊びに行くから!」
「うん。ありがとう」
それからあたし達は、2人で微笑んだ。

「しばらく会えなくなっちゃうけど、いつもみたいに電話とかメールいっぱいしようね」
「そんなの当たり前じゃん」
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