死生
「......」
僕は一人、季節の変わり目で春風が吹き始めた真昼の外を歩いていた。
なぜ歩いているのか。
特に意味はない。
ただ歩きたかったから歩いているだけ。
僕みたいに精神状態が滅茶苦茶な奴は、こうやって外気に触れるだけでも、随分リフレッシュになるものだ。
そんなどうでもいいことを考えながら、宛もなく歩き続け十五分ほどが経っただろうか。
僕は突然気分が悪くなった。
辺りを見回すと、見慣れない森。
「ここは、どこ...」
目眩と共に襲ってくる、疼くような頭痛。
立つこともままならなくなり、思わず地面に座り込んだ。
だんだんと、視界が白くなってくる。
「大丈夫、、?」
私の意識が途切れる瞬間に聞こえた声は、まるで太陽みたいな明るい声だった。
「お前は、誰、だ...?」