今夜23時、ベリーズカフェで。


手書きの綺麗な字で書かれたメニューの中からそれぞれ注文を伝えると、

店員の子はそのまま厨房のほうへ・・
・・・・・・あれ?

と思ったら、そのままお店の奥のテラス席?のような場所へと向かっていった。



「・・・あ!LINEきた!

・・・やったカスミ、
来週水・木両方とも大丈夫だよ!」


「・・・・・・・・・。」


「カスミ?どうしたの?」


「ねぇユキあれあれ。」


思わず小声になりながら、ユキだけに分かるようにテラス席を指さした。


振り返ったユキも、
指先・・私と視線の照準が合う。


「・・やっば・・。」


ユキも私も、“美味しい”とか“可愛い”とか“凄い”という褒め言葉の最上級として、

“やばい”というフレーズを使う。


だから私達は、テラス席に独りで座って本を読んでいたその人に・・

店員の女の子に呼ばれた?っぽくて店内へと入ってきたその女の人を見て、

“やばい”を小声で連発した。




「・・いらっしゃいませ・・。」


厨房へと消えていく前に、
私達に向けてニコッと微笑む。


右手に閉じた文庫本?を持つその後ろ姿を見ながら、


「「やばい!!!!!」」


“小声”と分類される中でも一番ボリューム最大値にして口を揃えた。

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