今夜23時、ベリーズカフェで。
「人間の脳には“知識”と“見識”を記憶する箇所があります。
志村さんには今、日常生活を送る上で必要な“知識”に障害は見られていませんが、
君が今までその五感で感じ司ってきた“見識”に障害という蓋がされてしまっています。」
「・・そう・・ですか・・。」
「不安になる必要はありませんよ。
先ほどスマホ操作が出来たように、日常生活に支障が出るレベルではありませんので、
様子を見ながらゆっくり記憶が戻るのを待ちましょう。」
「はい・・・。」
「ひとまず、もう2~3日入院して様子を見た後、
自宅へ帰って、元の生活を感じながら思い出していきましょう。
向こうの大学病院に僕の同期が勤務していますので、
退院後も向こうでカウンセリングを受けられるよう申し送りしておきます。」
“どうして”そうなったかは思い出せないけど、
“結果的に”、今自分がどういう状況に置かれているのかようやく理解出来た。
自覚は無いけど、私の後ろで一緒に寄り添ってくれた年配の男女を、
“お父さん”と“お母さん”と認識して・・
親切なお医者さんと看護師さんにその後もお世話になって、茨城総合病院を退院した。