今夜23時、ベリーズカフェで。


わざわざ茨城から来てくれた警察の村田さんが、身振り手振りで教えてくれた。


何の異変もなく普通に走行していたのに、突如として走行速度が上がっていった事。


“どうしよう”という、慌てた様子のカスミさんの声と私の声が録音されていた事。


“止まったほうがいい” “でもぶつかる”という私たちのやり取り。


その直後、カーブを曲がりきれずに・・

映像がジェットコースターのように滅茶苦茶に回転していった事。





「結論が出せていません。」


「・・・“結論”というのは・・?」


「広瀬カスミさんが通っていた自動車学校に聞き込みをした所、

彼女は相当運転技術が酷かったらしい。

ブレーキとアクセルを踏み間違える事が度々あって、

“免許が取れたのは奇跡だ”と教官たちが口を揃えた。」


「・・・・・・・。」


「まぁ・・ただ一人・・態度がなんか鼻につく“俺様”みたいな教官とか、

カスミさんのお父さんは、“それはちゃんと改善された”と・・

“彼女の運転に問題は無い”
と反論してきたけど・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」

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