今夜23時、ベリーズカフェで。




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今の状態で・・来てしまっていいのかな・・。でも私の足取りは止まらなかった。



お母さんに場所を教えてもらって・・

お父さんも“一緒に行こうか”と言ってくれたけど丁重にお断りして、独りで来た。


「・・・・・・・・・・・・・・。」


“広瀬”と書かれた表札。


インターホンを鳴らしてしばらくすると・・お父さんと同じぐらいの歳の男性が・・・



「・・ユキちゃん・・?」


「あの・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「あの・・私・・。」


「ありがとう・・来てくれて。
さぁどうぞ中に入って。」


「・・お邪魔します・・。」


無精ヒゲが伸びて、手入れされていない。
私の顔を見て、途端に涙ぐむ。

カスミさんのお父さんの体中から、“悲しみ”が伝わった。



「お父様から話は聞いてます。本当に・・なんとお詫びしたらいいか・・。」


「あの・・頭を上げてください・・。
こちらこそ・・すみません・・。」


「ごめんね・・。妻はずっと体調を崩してて・・。」


「いえ・・あの・・・
この度は本当に・・ご愁傷様です・・。」


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