今夜23時、ベリーズカフェで。


スリッパを出してくれて、
家の中へ上がらせてもらった。


そのままお仏壇の前まで・・


「・・・やっぱり・・・・。」


そこに写真立てが飾られていた。


その中で映る女の子・・

意識を取り戻したあの夜、頭の中で一瞬だけでてきた女の子が笑っていた。


「・・ユキちゃん・・
本当に生きてて良かった・・。

ユキちゃんまで目が覚めなかったら・・
俺・・志村さんに何て・・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「あの・・こちらこそ・・
本当にごめんなさい・・。」


「え・・・・。」


「カスミさんが・・ずっと私と仲良くしてくれたって・・。“友達”だって・・。

でも・・何も思い出せなくて・・。

本当は私ももっと悲しまないと・・
悼まないといけないのに・・・。」


「いいんだよユキちゃん・・。こうやって手を合わせてくれただけで・・。」

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