今夜23時、ベリーズカフェで。


・・カスミ・・・カスミ・・
・・・・・カスミ・・・・・



「カスミ!!!」


iPhoneを取りだしてパスコードに“0819”と入力する。


現れたホーム画面、起動したアルバム。
そこに、たくさんの自分が映っていた。


何枚も何枚も・・・

学生服を着た、
私服姿の、

屋久島の自然を背景にした、
諏訪湖の夜景を背景にした、


「・・アァァア・・カスミ・・
・・・・・ガズミ・・・。」



私の隣にはいつも同じ子が映っていた。

何枚も何枚も・・・

笑顔も、変顔も、
キメ顔も、泣き顔も・・



「アァァアアアアア!!!!!!」











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“ガラガラ!!!”


「ちょ・・ちょちょ志村・・
落ち着きなさいって。」


「どうして調理部が無いんですか!?ホームページに載ってたじゃないですか!?」


「いや3年前ぐらいまではあったんだけど、年々入部者も少なくなって、

当時の顧問も転勤になって・・ホームページは更新するの忘れてた☆テヘペロ」


「だったら今年から復活させてください!!」


「そんな無茶な~。」





「あ、あのぉ~!!」


「・・誰ですかあなた?」


「調理部!私と一緒に作りませんか!?」


「え・・。」


「私、広瀬カスミ!あなたは?」


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「小麦粉買いすぎちゃったかなぁ?」


「大丈夫大丈夫!
3日で無くなっちゃうよ!」


「じゃあ早速作ろー!」


「ハックション!!!!!!!!!」


「!!?」


「「・・・・・・・・・。」」


「「・・プッ・・アハハハ!」」

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「ねぇユキ~!ガス点かないよ~!」


「え~?そんなはずないって。」


「元栓ちゃんと開けてるし・・。」


「じゃあカスミのやり方が悪いんだよ。」


「いやいや!ちょっとやってみてよ。」


「・・・・ホントだ。」


「ね!?」


「おっかしいなぁ・・。」


「どうする?先生呼んでく・・。」


“ボッ!!”


「「・・!?・・ぎゃ~~!!」」


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「ユキ~~!!!(ToT)」


「ちょっとなによ卒業式ぐらいで。」


「うわぁぁぁん!」


「・・・・・バカ・・・・
貰い泣きするじゃない・・。」


「「・・・・・・・・」」


「卒業しても・・・?」


「・・・ずっとずっとずっと?」


「「・・・(ToT)・・・・」」






「アハハ。うんうん、2人ともジャイアンみたいな事言っちゃって。

・・広瀬、志村。卒業おめでとう。」


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