今夜23時、ベリーズカフェで。
「・・スッ・・スッ・・・・。」
<はい、茨城県警 交通機動隊 村田です。>
「村田さん・・・。」
<・・・・志村さんか?>
「・・村田さん・・
思い出しました・・・。」
<え!?>
「急に・・後ろから・・
クラクションを鳴らされて・・。」
<う・・うんうん。>
「後ろを見たら・・黒い車が・・
凄く蛇行しながら・・ずっとクラクションを鳴らしてきて・・。」
<じゃあやっぱり・・
君たちは煽られたんだね!?>
「私たち・・怖くて・・どうすればいいか分からなくって・・・。」
<君たちは何も悪くないんだよ!
カスミさんだって・・
最期の最期に君を守ろうとしたんだ!
この前・・あえて言わなかったけど・・。
スピードの出し過ぎで右カーブを曲がった場合、
膨らんだ車体は助手席側がガードレールにぶつかるはずだ。
でも君たちの車の損傷は右側・・
運転席側のほうが激しかった。
きっとカスミさんが必死にハンドルを切って、助手席に座っていた君だけは守・・>
溢れ出す涙と、止まらない鼻水に思わず電話を切ってしまう。
・・・・・・・悔しい・・・・
悔しくて・・哀しくて・・。
どうして・・・?
どうしてただ法定速度を守って走っていた私たちが煽られなきゃいけないの・・?
どうして・・・どうして・・
どうして・・・どうして!!!
「どうしてカスミが死ななきゃいけなかったのよ・・。
どうして・・どうして私からカスミを奪ったのよ!!!」