今夜23時、ベリーズカフェで。


「・・伝票・・置いておきますね・・。」


「・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「どうして2枚もあるんですか・・?」


「どちらの伝票を取るかは自分で決めなさい。」


「え・・・。」


「・・もしカスミの仇を討つ事で、ユキの気持ちが少しでも楽になるのなら・・

そのドライバーは私達に任せて・・。」


「・・・・・・。」


「その伝票を取った瞬間、風が動く。

そして、あなたから心友を奪ったそのドライバーは、一瞬のうちにあの世へ行く。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・ユキ・・・。

私達はあなたに同情しない。
励ましの言葉もかけない。
叱咤もしない。

深い傷を負った人には、
“何もしちゃいけない”。

それが周りにいる人間の、
たった一つの“出来る事”だから・・。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・でもねユキ・・。

限られた人間にだけ、
もう一つ“出来る事”がある。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・私達のような人間にだけ・・
あなたのような人に出来る事がある。」


「沖田さん・・さっきから何を・・?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「カスミの仇を討ってくれるんですか・・?」


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