今夜23時、ベリーズカフェで。
――――――
「どうだミオ?慣れたか?」
「うん・・田舎って不便なイメージしかなかったけど・・悪くないね。」
「そうだなぁ。」
「・・お父さん・・・。」
「うん?」
「ウチのせいで・・
弁護士出来なくなって・・。」
「こらっ。もうそれは言わない約束だろ?」
「・・・・・・・・・・。」
「むしろ良かったと思ってるよ。」
「え・・・。」
「事務所で働いてる間、仕事のことばっかり優先になっちゃってて、
ミオや母さんに全然構ってあげられなくて・・。
だからこうやって、娘と二人で夕飯の買い物に出掛ける時間が出来て、
自分にとって何が一番大切か、
再認識させられた。」
「・・・・・・・・・・。」
「安月給でも、俺より歳下の上司にコキ使われようが、
“土日休み”がこんなにも愛おしいものなんだって良く分かった。
ずっと専業だったのにパートに出てもらった母さんには負担掛けちゃってるけど、
前の家よりずっと狭いけど、三人で食卓囲んで雑魚寝して・・俺は充分幸せだよ。」