今夜23時、ベリーズカフェで。


―――――― 


「どうだミオ?慣れたか?」


「うん・・田舎って不便なイメージしかなかったけど・・悪くないね。」


「そうだなぁ。」


「・・お父さん・・・。」


「うん?」


「ウチのせいで・・
弁護士出来なくなって・・。」


「こらっ。もうそれは言わない約束だろ?」


「・・・・・・・・・・。」


「むしろ良かったと思ってるよ。」


「え・・・。」


「事務所で働いてる間、仕事のことばっかり優先になっちゃってて、

ミオや母さんに全然構ってあげられなくて・・。


だからこうやって、娘と二人で夕飯の買い物に出掛ける時間が出来て、

自分にとって何が一番大切か、
再認識させられた。」


「・・・・・・・・・・。」


「安月給でも、俺より歳下の上司にコキ使われようが、

“土日休み”がこんなにも愛おしいものなんだって良く分かった。


ずっと専業だったのにパートに出てもらった母さんには負担掛けちゃってるけど、

前の家よりずっと狭いけど、三人で食卓囲んで雑魚寝して・・俺は充分幸せだよ。」


< 202 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop