今夜23時、ベリーズカフェで。
「マキさん・・。
今日来たのは賃上げ交渉じゃありません。
お願いします、いい加減・・
“風”に会わせて下さい。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「会って直接お礼が言いたい・・。
それだけなんです。」
「・・・・・・・・・・。」
「これまで、マキさんと“風”が救ってきた人達の多くが、俺の事を“風”だと思い込んで、
涙を流しながら生ビールを頼んでくれました。・・でも・・・。」
「・・・それも・・・・
あなたの仕事の一つよ・・。」
「・・・・・・・。」
「私とあなたは・・表に立つ人間・・。
・・その裏で・・“風”は動く・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・サスケちゃん・・・。あなたの事を信用してないわけじゃない・・。
でも・・“風”に会わせるわけにはいかないわ・・。」
「やっぱダメですか・・。」
「・・どうして・・彼が“風”と呼ばれているのか・・話した事あった・・?」
「いや・・無いです。
でも、風のように【姿が掴めないから】ですよね?
マキさん以外、誰もその正体を知らない。
マキさんの口振りから“男”だっていうのは分かるけど・・
何歳なのか、
普段何をしている人なのか・・。」