今夜23時、ベリーズカフェで。


「・・それが・・“風”の最大の武器・・。」


「・・・?」


「・・彼はまるで・・“普通”という言葉をそのまま具現化したような男・・。

・・だからどこにでも溶け込めて、
どこにいても違和感が無い・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・“風”は・・いつも傍にいる・・。
いつも私達の傍に寄り添ってくれる・・。


自殺の事しか考えられずに、籠もったトイレから出られなくなっていたら・・

そっと【ドアをノックして】
現実へ引き戻してあげて・・


サスケちゃんのお店がどこか分からず途方に暮れていたら・・

そっと【場所を教えて】
あなたの元へ案内してあげて・・


道行く心無い人達に、配っていたビラをぶちまけられたら・・

そっと【拾うのを手伝って】
1枚貰ってあげて・・


“風”は・・いつも彼女達の傍へ寄り添ってくれる・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「俺の事も・・ずっと見守ってくれてたんですか・・?」


「団体客が来たら頭にジョッキを乗せて運んでるそうね・・?

想像したら面白かったわ・・。」



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