今夜23時、ベリーズカフェで。


「これが・・彼が“風”と呼ばれるもう一つの理由・・。」


「え・・・。」


「どうやって殺してるか・・
・・・興味ある・・?」


「当たり前じゃないですか。

撲殺でも毒殺でも刺殺でも銃殺でも無い・・。

“風”が狙ったターゲットは必ず“窒息死”する。

いくら警察が調べても死体に不審な点は見つからず、結局“事故死”として処理される。

俺はターゲットの行動パターンを調べて、

それをマキさんに伝えるだけで終わるから・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「“風”は超能力者だとずっと思ってました。」


「・・どこかの世界には・・そんな凄い力が存在する世界があるかもしれないけど・・

少なくともこの世界にそんなものは存在しない・・。

この世界の神は・・
そういうものが大嫌いだから・・。」


「そういうのは戸田恵梨香と加瀬亮だけで十分ですか・・?」


「サスケちゃん・・口を開けて・・。」


「え・・・はい。」


大口を開けると、
再びマキさんが銃口をそこに向けて・・


“スコッ!”


小気味いいというか・・
舌に生暖かい空気が一瞬ぶつかる感触。



「・・こうやって殺してるの・・。」


「・・・・どういう事ですか?」


「今ここにあるのは、
ただのエアガン・・。

“もし店長が強盗に襲われたら私がこれで助けてあげますねっ”と、

わんぱくなリョウコが持ち込んだ物・・。」


「・・・・・・・・・・。」

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