今夜23時、ベリーズカフェで。
――――――
“・・今日が正義の終わりだ・・
死ねぇゴーレンジャー!!”
“く・・くそっ・・。
勝てないのか・・俺達は・・”
映画泥棒がくねくねしている時に私の意識は落ちたけど、
ふと目が覚めると、
もの凄いコスプレをした敵?の人が、
ゴーレンジャーの皆さんに向かってフゥ~っと息を吐いて、
皆さんが爆発と共に吹っ飛んでいった。
「・・・!!・・!!!!・・。」
暗い館内でもよく分かる。
隣に座るチビは両拳をギュッと握って、
スクリーンに食い入っていた。
“今こそみんなで力を合わせるんだ!
そうすればケンドー大魔王を倒せる!!”
“・・レッド・・”
“ウハハハ!また性懲りも無くやられにきたかゴーレンジャー!”
“いいかケンドー大魔王。
人々が正義への希望を捨てない限り、
俺達は何度でも立ち上がる!!”
毎週日曜日ゴーレンジャーの放送が始まる30分は唯一、怪獣が大人しくなる貴重な時間。
だから、ここぞとばかりに溜まっていた家事をこなす。
だから・・ほとんどゴーレンジャーの放送は見たことが無い。
“今だみんな!!必殺!”
“神獣ビー―――ム!!!”
“ぐ・・・ぐわぁぁああ!!”
だから「え~・・!?」と思わず呟きながら、ケンドー大魔王が倒されていくシーンを眺めていた。