今夜23時、ベリーズカフェで。


―――――― 


“・・今日が正義の終わりだ・・
死ねぇゴーレンジャー!!”


“く・・くそっ・・。
勝てないのか・・俺達は・・”



映画泥棒がくねくねしている時に私の意識は落ちたけど、

ふと目が覚めると、
もの凄いコスプレをした敵?の人が、

ゴーレンジャーの皆さんに向かってフゥ~っと息を吐いて、

皆さんが爆発と共に吹っ飛んでいった。


「・・・!!・・!!!!・・。」


暗い館内でもよく分かる。

隣に座るチビは両拳をギュッと握って、
スクリーンに食い入っていた。








“今こそみんなで力を合わせるんだ!
そうすればケンドー大魔王を倒せる!!”


“・・レッド・・”








“ウハハハ!また性懲りも無くやられにきたかゴーレンジャー!”


“いいかケンドー大魔王。

人々が正義への希望を捨てない限り、
俺達は何度でも立ち上がる!!”




毎週日曜日ゴーレンジャーの放送が始まる30分は唯一、怪獣が大人しくなる貴重な時間。


だから、ここぞとばかりに溜まっていた家事をこなす。

だから・・ほとんどゴーレンジャーの放送は見たことが無い。



“今だみんな!!必殺!”
“神獣ビー―――ム!!!”


“ぐ・・・ぐわぁぁああ!!”



だから「え~・・!?」と思わず呟きながら、ケンドー大魔王が倒されていくシーンを眺めていた。






< 28 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop