今夜23時、ベリーズカフェで。
「ママ~。ばぁば、だいじょうぶ?」
「・・うん・・大丈夫だよ・・。」
「はやくげんきになるといいね!」
「コウタ、今日はゴーレンジャーごっこしないの?」
「うん!だってうるさくしたらばぁばが、
ねんねできないもん。」
「・・・優男だねぇコウタ~。」
「キャッキャ!くすぐったい!」
「アハハ。」
「キャッキャ!
やめてやめてくすぐったい。」
「・・・・・・・・・・。」
「キャッキ・・・・・ママ?」
「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」
「ママ?どうして、ないてるの?
・・・ママ?」
もういいんだよお母さん・・。
お母さんのおかげで私は高校まで出られたんだよ・・?
お母さんのおかげで私は大人になれて、
こうしてコウタに巡り会うことができたんだよ・・?
ピアノなんて買わなくていい。
教室になんて通えなくていい。
・・覚えてくれてた事だけで・・
十分嬉しいんだから・・・。
「ママ。」
「・・・スッ・・・・スッ・・
ごめんねコウタ・・。」
「・・ママ・・なかないで・・。」
何が起きているのか全く理解してないはずなのに、
私の目から溢れるものを一生懸命両手で拭ってくれる優男くんを、ギュッと抱きしめた。