今夜23時、ベリーズカフェで。
――――――
「いらっしゃいませー!!」
「「「「「
いらっしゃいませー!!」」」」」
連れてこられた居酒屋は、まるで私の心とは正反対の明るい店だった。
私と同年代か歳下の店員がたくさん、色んなテーブルや座敷にビールジョッキを運ぶ。
「お待たせしました。
生ビールと烏龍茶です。」
「ありがとねクルミちゃん。」
「大川さん・・キャスト連れ込むのはタブ-じゃないの?」
「大丈夫。この子は違うから。」
お通しも一緒に持ってきた女の子の店員に、大川さんが親しそうに話し掛ける。
その胸には、
“笑顔生搾り クルミ♡”
と書かれた名札のようなものがついていた。
「ここの店はね、とにかく接客が抜群に良くて俺も1人でよく来るんだ。
客に、“顔と名前を覚えてもらおう”って店員みんな、
ああやってキャッチフレーズと名前をつけてて、
料理持ってくるついでにお話もしてくれるから、1人で来ても全然退屈しない。」
「・・・・・・・・・。」
「ささっ、じゃんじゃん飲んでよ。
餃子、レバニラ、炙りチャーシューも頼んどいたから、いっぱい食って精つけてさ!」
「・・・・・・・・・・・・・。」