今夜23時、ベリーズカフェで。
頭に空ジョッキを乗せながら・・
忙しそうに後片付けをしていたサスケさんのポケットから、
スタンプカードのようなものが手渡される。
・・でも・・・・
「サスケさん・・これ・・・。」
このお店のものじゃない・・?
表紙に書かれていた店名はここの名前じゃなくて・・
「・・カフェ・・?」
「お客様、コーヒー好きですか?」
「・・・・・・・・・・。」
「せっかくスタンプ溜めたのに今日が有効期限なんですよ。
今日もラストまで大忙しなんで、せっかくだから俺の代わりに使ってください。」
「・・いや・・でも・・・。」
「お酒飲んだ後の〆って、
大抵お茶漬けとかラーメンでしょ?
でも、〆のカフェラテも結構悪くないですよ。」
「この時間でも・・
まだ営業してるんですか?」
「ホントはもう閉まってる時間だけど大丈夫です。
【今夜23時】、さっき店長さんに予約入れておきましたので。」
「・・・・・・・・・。」
どうせ死ぬんだから・・
何を飲んで、食べても・・
別に悪くないかもね・・。
一応もう一度遠慮したけど、
サスケさんが目を覆いたくなるほど眩しい笑顔を見せてきたので、受け取った。
「桜井さん。」
「・・・・・?」
「外は良い【風】が吹いてます。きっと、あなたの髪も揺らしてくれますよ。」
・・・私・・自分の名前・・
サスケさんに名乗ったっけ・・?
でも酔いが回って記憶も曖昧だったので、
特に気にせずに店を出た。
「・・・カフェ ベリーズ・・・。」
サスケさんにもらったスタンプカードに書いてある住所。
ここから歩いてすぐの場所だった。