今夜23時、ベリーズカフェで。


「お父さん、ドラレコってなに?」


「ドライブレコーダーって言って、
運転中の映像を録画する機械だよ。」


「・・そんなの要るの?」


「例えば事故してしまった時・・

カスミの運転する車が、他の車とぶつかっちゃったとするだろ?

そういった場合、

“どっちに過失があったのか”
っていう証拠になったりするんだ。」


「え~私事故しないよう気をつけるよ。」


「カスミが気をつけてたとしても、
何が起きるか分からないからさ。

ほらあれだよ・・。
あれ・・えっとなんだっけ。」


「なに?」


「備えあったらハッピー的なことわざ。」


「“備えあれば憂いなし”?」


「そうそうそれ!」





「広瀬様お待たせしました。

申し訳ございません・・やっぱりドラレコのほうは別途お代のほうを・・。」


「っておい!」



担当のお兄さんとお父さんのやり取りにちょっとヒヤヒヤしたけど、

なんとか話も纏まったようで、

あとはひたすら色んな書類に住所とか名前をいっぱい書いた。


書いてく度に納車が楽しみになって、

頭の中では既にユキと二人でいっぱい色んなとこに行くイメージが・・


「オシャパン楽しみ!」


「お・・おしゃぱん?」



つい心の声が漏れて、お父さんと担当のお兄さんから奇異な眼差しを受けたので、

慌てて取り繕った。
















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