あなたの願い、叶えましょう。 ー ただしその代償は・・・ ー
「あ、あたし……す、好きな人がいて……その人に振り向いてほしくて……つっ……付き合いたいんです!」
絞り出すような声でそう言ったあたし。
銀さんは、その様子を見てまた、にこりと笑みを見せた。
「そう、とても好きなのね」
「は、はい!大好きです!!」
あっ……つい勢い余って……
「ふふ、愛しているのね。彼のこと」
「あっ、愛してる……だなんてっ……!……でも、そうですね……その人がいれば何もいらないくらい好きっていうか……彼のためなら、なんだってできちゃう……みたいな」
「そう……」
「彼と幸せになりたいんです!両想いになって付き合えたら、それ以上の幸せなんて他にない!」
「わかったわ」
「え……叶えてくれるんですか……?」
「ええ。あなたの願い、叶えましょう。」
ほ、本当に!?
あたしの願い、叶っちゃうの!?
「3日以内に、彼に告白すればいいわ。その瞬間、あなたの恋は実る。」
「こ、告白……ですかッ……」
「そうよ?100%確実に成功する告白。そしてその“告白”した時が、私との契約成立の時でもある。代償を取られるのが嫌なら、告白はやめてもいいのよ。3日経てば、契約は解除となる。」
「し、します!告白します!」
「そう……じゃあ、お幸せに」
にこりと笑みを浮かべる銀さんに「ありがとうございます!」と頭を下げ、あたしはこのお店をあとにした。