あなたの願い、叶えましょう。 ー ただしその代償は・・・ ー
第1話 恋は盲目



「はあぁ〜咲也、ほんとカッコイイ〜♡」




あたしはグラウンドでサッカーをして遊んでいる森本咲也(もりもとさくや)を教室の窓から眺めていた。




「あんたほんと好きだよね、咲也くん」




あたしの親友、由美(ゆみ)が呆れたようにあたしに視線を送る。




「だって!カッコイイじゃん!!学校一のモテ男だし、優しいし、頼りがいのあるみんなの憧れの王子様だよ〜」




そう。


森本咲也は学校一モテていて、もはや誰も手が出せないほど位の高い存在とされている。


告白した子は勇者!


だけどその結果は高確率で完敗。


誰とも付き合わない、誰かを好きな素振りもない……だからこそ、「みんなの咲也様」だなんて言われている。


彼は、困っている人がいれば見て見ぬ振りをしない。


運動神経抜群で頭も良くて、友達思いで、気遣いができて、先生たちからの信頼も熱い。


まさに学校のトップ!




「咲也と付き合えたらあたし、もう何もいらない♡」


「あは、無駄な妄想やめときな」




あたしの夢を、一瞬で現実に引き戻す由美。




「夢くらい見たっていいでしょ〜タダなんだから!」


「そんなにいいかね、咲也サマ。」


「顔は爽やかイケメン、背は180センチ越えの高身長、スタイル抜群成績優秀、運動得意でちょー優しい♡みんなの頼りでそして何より!笑顔がス・テ・キ♡♡ああ〜もう!完璧すぎぃ〜!!この世にこんなに完璧な男がいるなんて!!♡」




マシンガントークのごとくあたしは彼のことをペラペラと話していた。


そんな話を聞いている由美の顔は、やっぱり完全な呆れ顔。




「あーゆー人気者って、なーんか怪しくない?」


「何言ってんの!!咲也は絶対、ぜーーーったい完璧な人なんだから!!」


「ふーん」




由美の言うことに速攻で否定するあたし。




咲也に限ってそんなマイナスな話、あるわけないんだから!


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