あなたの願い、叶えましょう。 ー ただしその代償は・・・ ー
それから咲也の要求は、どんどん増えていった。
携帯は毎日チェックさせること。
他の男や友達と連絡をとっていないかの確認をするために。
咲也にだけしか話してはいけない。
咲也にだけしか笑ってはいけない。
咲也にだけしか…………。
「ねぇ咲也、咲也は、他の友達とかとうまくいってるの?」
「友達?そんなの必要ないよ。夏美さえいてくれれば、俺はそれでいいんだ。他には何もいらない。」
ふいに聞いた質問。
返ってきたのは、冷血な感情が混じった答え。
よく見ると、周りからの羨むような視線も、嫉妬のような目も……なくなっていた。
まるであたしと咲也だけが、いないかのような……。
「咲也……、最近周りの様子……変だと思わない?」
「ん?何が?俺はただ、「夏美に近寄ったりしたら、殺すから」って、言っただけだよ」
「なっ……なにそれ!?」
「俺たちの二人の世界を守るためには、必要なことだろ?これからも、俺たちの世界を崩されないために、夏美に近寄ろうとした者がいれば俺が守るよ。だって夏美は……俺だけのものだから。夏美だって、俺だけいれば幸せだろ?」
冷たい……笑顔。
…………狂ってる。
なんなのこれ。
こんなの、咲也じゃない。
咲也はこんなことしない!
咲也は優しくて、友達思いで……気遣いができて……信頼できる、みんなの憧れの存在。
咲也はこんな……誰かを傷つけるようなこと……絶対にしない!
この人は……
この人は誰なの!?
……そうだ……!
あの願いの叶うお店……あそこに行こう!
何かわかるかもしれない。
もう一度、あのお店に……!