あなたの願い、叶えましょう。 ー ただしその代償は・・・ ー
「彼の本心を……本当の彼を知らずに「好き」だなんて言っていたの?彼の本当の姿は、あなたが好きな「咲也」じゃない。あなたは、ずっと見せてこなかった、作っていた外見の彼を好きになったの。それにも気づかず、何も知らず、「付き合えれば幸せ」って言ったのは、あなたでしょう?」
「そ……んな……」
「「好き」って、相手の本当の姿を知って、それでも好きでいられることが、「愛」なんじゃないのかしら?あなたは「好き」を勘違いしていたみたいね。」
「うそ……嘘……こんなの……」
そうだ……!!
「だ、代償は!?あたしから代償……何を取ったの!?」
「聞きたい?」
「教えて!何を取ったの!?」
「あなたからは、“周りからの関心”をいただいたわ」
周りからの……関心……?
「それって……どういう……」
「今の現状がそうでしょう?」
……もしかして……みんなのあの、あたしが居ないような感覚の……!?
「…………っいや…………」
「あなた自身の問題でもあるのよ。あなたが彼にばっかり流されるから、みんなあなたを必要としなくなった。お友達も、家族も、周りに関心をなくしたあなたに、周りも関心をなくしたの。あなたは死ぬまで、彼とだけ生きていくのよ」
「いやっ…………いや!!」
「どうして?せっかく願いが叶ったのに……何が不満なの?」
「こんなのおかしい!こんなのっ……願ってなんかない!!こんなの……!!返して……お願い、あたしの元の生活を返して!!」
「残念だけど……願いはひとつまでよ。おめでとう、お幸せにね……永久に。」
「……ッいやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」